ミクシィでも書きましたが

現在、お友達の歌い手さんのために「The Rose」という歌を日本語歌詞化しています。
それほど新しくもない映画の主題歌らしいんですが、平井堅だかが歌ったことがあるらしいので知っておられる方もおられるやもしれません。英語は単語のひとつひとつにたくさんの意味があって便利だなぁと、少ない音をどうやって粋で小洒落た日本語の枠にはめるかで悩みながら思う今日この頃。

でも、期待されていると頑張ってしまうのがイヌハク★クオリティ。素敵な歌になるよう、自分の中の語彙辞典と角つき合わせて考えようと思います。

さて、その「The Rose」。
そのなかの一節の、It's the one who won't be taken who cannot seem to give　という部分がとても好きです。好き、というか、ヒトとはかくあらねばならぬ、と思わされます。

「与えることが出来ない者は、何も受け取ることが出来ない」。
これは、様々な場面において当てはまるのではないかと思います。
無論、与えるとは物質的なことだけを言うのではありません。むしろ、物質的なGiveは、この歌詞においてはそれほど重要ではないでしょうし、物質的なことだけを謳っているとしたら興醒めでしょう。

求めるばかりの人間に得られるものは少ない。
否定ばかりの人間が変えられるものは少ない。
自分の痛みしか見えない人間が、他者を癒すことは出来ない。
心に余裕を持てない人間に、風景の美しさを理解することは出来ない。
愛されている自分が判らない人間が、真に誰かを愛することは出来ない。

つまるところ、常に自分をしっかりと持ち、それでいて他者を気遣うゆとりと優しさを持て、ということなんでしょう。
不満に愚痴をこぼすことならば誰にでも出来ます。しかし、不満に対して客観的な思考を持ち、不満を越えた建設的な言動が出来なくては、結局何も変わらない。分別のある大人として見苦しい、というのもありますしね。


「The Rose」の歌詞が、そこまで訴えているかどうかは知りませんが、私はあの一文を、音が合うのなら、「惜しみなく与えよう、満ちた生のために」と訳したい。否定的な部分ではなく、肯定的な部分を前に出したいとも思うのです。

……さて、もう少し聴き込んで、素敵な歌詞をつけなくては。
十月半ばまでらしいので、頑張ります。